2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« ベッドで女性の名前を間違える | トップページ | おねいさんが! »

2012年8月14日 (火)

自然放射線と人工放射線

原発事故以来、様々なトンデモ学説が飛び交っていますが、そんな中でもあまりトンデモには見えにくい説として、

自然に存在する放射性物質からの自然放射線に対しては、生物はそれに適応しているので害は小さい。一方、人類が原子炉の中で作り出した放射性物質からの人工放射線に対しては、生物はこれまでそれに適応して来なかったので害が大きい。

といった、いわゆる「人工放射線有害論」があります。

これ、一見もっともらしく聞こえますが、放射線とは何か、という基礎的な知識があれば、即座に否定可能な説です。一部の大学教授も「人工放射線有害論」を唱えていたりしますが、大学教授だろうと医学博士だろうと、間違いは間違いです。

放射線「何から発せられたか」という属性は持っていないのです。自然に存在する放射性物質だろうと、原子炉で作られた放射性物質だろうと、そこから出た放射線は放射線であって、発生元とは関係なく、放射線そのものの属性によって、「放射線の」生物への影響が決まります。

原発事故の放射性物質漏れに関連して問題になる放射線はα線、β線、γ線の三種類。放射線の属性としては、その3つのどれなのかという点と、もうひとつ、放射線の持つエネルギー(通常はeVにKとかMとかを付けた単位で表します)、これが「放射線の」生物への影響を測る指標です(もちろん、放射線量も関係します)。

自然か人工かは問題ではなく、放射線の種類とエネルギーが重要です。

放射線が何から出るのかが問題になるのは、いわゆる内部被曝の場合ですが、それは自然放射線とか人工放射線とかの話ではなく、放射性物質の化学的性質によるものです。ヨウ素は甲状腺にたまりやすいとか、セシウムとストロンチウムでは前者の方が排出されやすいとか、生物化学的な話です。もちろん、自然とか人工とかとは関係ない話です。これは「放射性物質が」生物にどう影響するかという話です。

放射線の種類(α、β、γ)やエネルギー、放射性物質の生物化学的な性質で、我々の健康への影響が異なるのは当然ですし、そういう議論は既に成されているわけですが、自然放射線と人工放射線という対比は全く意味を持ちません。

食品中に含まれるカリウム40は自然に存在していて自然放射線を出すから安全、セシウム137は原子炉で作られたので人工放射線を出すから危険。なんていう主張を目にすることがありますが、それはもちろん根拠がありません。そのような主張をしている言説は間違いです。

もちろん、カリウム40と
セシウム137の出す放射線の種類とエネルギーを考察するなり、内部被曝の場合はカリウムとセシウムの(数字は関係ない)体内での挙動の違いを考察するのは間違っていませんが、それは既に行われていて、ベクレル(放射性物質の量)からシーベルト(人間の健康への影響度)への変換係数に反映されています。

とにかく、「
自然放射線」とか「人工放射線」とか言う主張は、それだけで間違っていると断じて問題ありません。どんな博士や大学教授が主張していようとも、です。

« ベッドで女性の名前を間違える | トップページ | おねいさんが! »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自然放射線と人工放射線:

« ベッドで女性の名前を間違える | トップページ | おねいさんが! »